ハチワンダイバー (1〜5) ★★

ハチワンダイバー 1 (ヤングジャンプコミックス)

ハチワンダイバー 1 (ヤングジャンプコミックス)

とりあえず序盤の5巻まで読んでみました。
 
〜あらすじ〜wikiより
主人公の菅田健太郎はかつてプロ棋士を目指していたが挫折し、今では賭け将棋で日銭を稼きつつ漫然とした日々を送っていた。勝負に勝ち過ぎ対局を避けられるようになった菅田は、ある日秋葉原の凄腕棋士のウワサを聞く。秋葉原に赴いた菅田は自信満々でメガネの女真剣師「アキバの受け師」に勝負を挑むが、手も足も出ずに完敗を喫する。 プライドをズタズタにされ、その悔しさから久々に将棋への情熱を取り戻す菅田。しかし自堕落な生活で部屋は荒れ放題。片付けの為に清掃会社に派遣サービスを依頼するが、現われたのはなぜかメイド。しかも菅田を「ご主人様」と呼ぶそのメイドこそ彼のプライドを打ち砕いた張本人、「アキバの受け師」だった…。
 
 
ちはやふる」はかるたが分からなくても読めるノリがありました。(まあ結局早く取るだけだから…)
ただ、ハチワンは将棋が分からないと面白くないです。
将棋にかける情熱とか、人生を賭けてしまう大博打とか、将棋版にダイブとか、まあ漫画的効果も十分に入っているのですが、
根本の部分でその手の重要性とか、その手が生み出された歴史とか、それへの対処法とか、かなりマニアックで分からない部分が多いです。
言ってしまえば指し手の読みが、「ドラゴンボール」でいうところの「ドガッ!」「バキッ!」と同じなんです。
将棋が分からなければ単なる擬音語と同じに感じてしまい、実際問題それが本当に強いのかどうかさえ分からない。
そもそも何十手も先を読むというような棋士が、たった一手で「こじあけられたッ!」というようなことがあるんでしょうか。
ノリだけでも楽しく読めるような体裁を見せつつ、実態ではそこで行われていることも1割も理解できないという。
私も一応駒の動きやルールくらいは知っていますが、描かれている盤面の手を細かく見ていちいち状況の把握なんてできません。
 
 
あとですね、なんか周囲の雑音など気にしないというような汚い顔を描いて、
それであたかも将棋が強いことの象徴のように見せようとしているのが、正直言って古臭いと思います。
青年漫画誌とかではよくあるんですが、涙や鼻水や涎を撒き散らして
没頭している姿や全てを投げ打っているかのような様子を描写するというのは、個人的に嫌いです。
それは単純に、画力や言葉の力がないから、そういった分かりやすいものに頼っているだけです。
最強伝説黒沢」くらい絵が下手だと、まだギャグとして見ることが出来るんですが、その点この人は中途半端ですね。

 
ついでに苦言を呈しますと、コマの無駄遣いが多すぎます。
1コマ一言、しかも繰り返し。
そんで汚い顔のどアップでは目を背けそうになります。
 
ヒロインのメイド棋士さんが、それにしてもデブだなーと思って読んでいたのですが、
5巻の最後の方で「ポッチャリさん」というような言葉が出てきて安心しました。
ああよかった、一応作者さんも本気でかわいい子を描いているわけではなかったんだ…

 
世間的に評価されているほどの内容ではないと思いますし、合う人と合わない人がくっきり分かれる作品です。
そして、絵が生理的に受け付けないような人まで取り込むほどのパワーはないです。