悪魔とラブソング (1〜5) ★★★★

悪魔とラブソング 1 (マーガレットコミックス)

悪魔とラブソング 1 (マーガレットコミックス)

途中までですが。
 
可愛マリアは人の本質をズバリと見抜き、思ったことを何でも口に出してしまうことで、周囲と溶け込めないでいる。
しかしそんな本音でぶつかっていくことで心を開いてくれる友人も現れ…
 
マリアはお嬢様学校を退学になり、平凡な高校へ転入してきます。
美人でモデル体型かつ毒舌というキャラクターのせいで、女子たちから疎まれ、執拗な嫌がらせを受けています。
この嫌がらせがまたねちっこくてね。
更に担任が、これ以上ないというくらいに嫌な人間です。
いやまあ、ここまでやってくれると逆にすがすがしいよね?
画力は中程度ですが、この作者の凄いところは、古谷実ばりに美人とブスの描き分けがえげつないところです。
内面の美しさが外見にも反映されるといった具合に、凛としたマリアに対して、いじめっ子達の表情の汚いこと!
特にハナの顔面の気持ち悪さは特筆に価しますね。
こういう分かりやすさは素直に評価できると思います。

 
テーマとしては、みんながひた隠しにしている汚い部分も、曝け出してしまえば、自分が思っているほど汚れていないよ、っていうことでしょうか。
マリアの持つ異常なまでの芯の強さ、真っ直ぐな態度、そしてこうありたいと打ち明けられる素直な心。
読んでいてムカっとしてくるようなシーンばかりなのに、読了感が良いのは、ひとえにこのマリアの持つキャラクターのおかげでしょう。
 
4巻の最後に、他の人の見栄や意地を振り切り、マリアが一人で合唱コンクールの壇上に上がるシーンがあるのですが、ここが★4の理由ですね。
この強さに憧れ、美しさに魅了され、傍にいられるだけで幸せを感じるような、澄み切った心になれるようです。
 
この後は旧友との恋のライバル的展開があるようですが、さてどうなんでしょうか。
恋愛面でマリアのキャラクターをどれくらい活かせるのかは作者の力量次第ですかね。