電撃デイジー (1〜6) ★★★

電撃デイジー 1 (Betsucomiフラワーコミックス)

電撃デイジー 1 (Betsucomiフラワーコミックス)

結構説明がめんどくさい設定です。
・主人公はAカップ女子校生の照。数年前に兄を亡くして依頼天涯孤独。いつも影ながら支えてくれるメル友DAISYが唯一の頼り。
・学校の用務員黒崎は照を下僕として扱う酷い男だが、その実態は天才クラッカーのDAISY。表ではぞんざいに扱いながら、裏ではメールで甘い言葉を囁くという若干キモイ2面性を持っている。
・照の兄は天才プログラマーで、黒崎はその元部下。元同僚たちも照を守るために傍にいる。しかし照の兄が残したソフトを巡って、危ない個人や組織が照を狙ってくるのでした。
 
これはまたまた評価の難しい作品。積極的に続きが読みたいと思えるほど面白くは無いけれど、読んでいて退屈なわけでもない。眠くはなるけど。
基本的には、照の貧乏ネタを中心としたギャグと、照が色々トラブルに巻き込まれるのを表では黒崎が、裏ではDAISYが助けてくれるという流れです。
照はあることがきっかけで黒崎=DAISYということに気づくのですが、今の日常を壊したくなくて、それに気づいていることを黒埼には隠しています。
そして黒崎も、照が知っていてあえて触れないようにしているということに気づいています。
表では照と黒崎はいつもふざけあって罵り合っているんですが、本心ではちゃんとあなたのことを信頼していますよとメールで伝えているという、変な関係です。
この関係性の変化を楽しむ漫画だと思うんですが、この秘密めいたというか、禁断的なというか、
そういうのにあまり魅力を感じませんでしたので、夢見る少女たちの抱く感想とはかなりかけ離れたものになっているんじゃないかと思います。
 
とりあえず犯罪的には甘っちょろく裏も浅く、なんかガンガンあたりに載ってそうな軽〜いノリです。
物語の根幹として設定されてるんであろう照の兄が残した遺産的なものの存在が、ほとんど気にならないというのが物語の軽さを表しています。
ブコメに中途半端なシリアス要素を入れても、よほどのことが無い限り面白さを助ける役割は果たさないという良い(悪い?)例ですね。
というわけで漫画の構成としては褒められたもんじゃないですが、この薄っぺらい要素ながら上手くまとめているなという印象もあります。
中学生くらいの子が読んだら結構楽しめるんじゃないでしょうか。