となりの怪物くん (1〜4) ★★★★
- 作者: ろびこ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/01/13
- メディア: コミック
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勉強以外興味のない雫は、ある日先生のお使いで不登校児のハルにプリントを届けにいく。
その過程でハルにちょっと優しくしたら凄く懐かれて「好き」宣言までされてしまう!
しかし色恋沙汰で勉学に支障が出るのを恐れる雫は色々と問題を抱え…
設定がエキセントリックすぎるのと、話があまりまとまっていない(行き当たりばったりで描いている)感じはあるけど、
悔しいながらも面白いと評価せざるを得ません。
勉強命で友達もいない雫、ナチュラルにアホで暴力的なので友達ができないハル、
外見だけ可愛くてすぐに男に言い寄られるために女友達がいないオタク女夏目、
普通の少年ササヤン(強いて挙げれば変人相手にも動じないマイペースさ?)、
お坊ちゃんの優等生だけど中身は悪人のヤマケン、
そういったほぼ変人で構成される登場人物が特徴です。
雫のキャラは「好きっていいなよ」と被るのですが、それでもこっちの方が一貫性があり、ツンデレ度も高いので格上です。
ハルのキャラクターはどうも読めないのですが、不思議ちゃん男バージョンということでしょうか。
この組み合わせ自体は面白いのですが、ハルの設定がちょっと定まりきっていない感じ。
突拍子も無い行動を時折取ることでエキセントリックなキャラクターを作り上げているんですが、
どうにもわざとらしくて、共感とか感情移入の対象にはなりません。
4巻になって雫とハルが互いを好きと認め合い、そこにヤマケンが横槍を入れるようになり、
一般的なラブコメの図式が出来あがってきたあたりで、面白さが増してきました。
ヤマケンが適当に言った言葉に雫が感動したり、逆に気を惹こうと狙った台詞に無反応だったりするのがいいですね。
これが一歩進んで、ヤマケンの気持ちを雫が心の中で反芻できるようになったとき、
人間関係に変化は訪れるのか、そのあたりが今後の見所でしょうか。
「僕は友達が少ない」の漫画バージョンのようで、内容がないのもまたそれは一興かと。
いっそのことハルが本気でキレるようなシリアスなシーンを無くしてしまった方が、まとまりが出ていいような気もしますね。