好きっていいなよ。 (1〜4) ★★★

好きっていいなよ。 1 (デザートコミックス) (KC デザート)

これもストロボ・エッジに書いたテンプレ的なお話なんですが、
違うのは主人公のめいが健気でも素直でもなく、「ツンデレ」だというところです。
昔友達に裏切られたことから人を信じなくなり、交流も自ら絶ってきためいが、
興味をもって近づいてきた大和との出会いにより、少しずつ心を開いていくようになるというお話です。
　
３巻までは★４つだったけど、４巻残念でした、という感想です。
悪い点を挙げると、
１．エピソードの一つ一つの展開が早くて薄っぺらい。
２．めいの魅力が巻を追うごとに減退していっている。　
　
基本はエピソードごとにキャラが登場し、めいとちょっと絡んで、若干素直になって去っていくというスタイルなんですが、
その交流の中であまりめいが成長しているという感じがしません。
大和との関係という一本で恋愛の方向性が定まりすぎていて、その中でめいがただの弱い女になっていくのが、もったいないです。
昨今のツンデレ人気にあやかり主人公をツンデレちゃんにしてみたものの、恋愛テンプレに当てはめてみると上手く機能しなかった。
そんな感じです。
そこでテンプレから脱却するのか、ツンデレを捨てるのかという選択において、この作者は後者を選びました。
ここが間違いです。
こんなことでは、藤林杏や戦場ヶ原ひたぎを経てきた私たちにとっては、よくあるツンデレもどきでしかないのです。
結果、普通の物語に成り下がったこの作品には、★３つが精一杯でしょう。
　
　
絵はかなり上手い方だと思います。
ファッションもかなり凝ってますね。
ただ、めいと大和の妹の凪ちゃんの描き分けができてません。
一緒に登場するシーンのアップではどっちがどっちだか…
　
ストロボ・エッジよりはいいかなと思うんですが、一長一短ですかね。