君に届け(3〜10) ★★★★★

君に届け 10 (マーガレットコミックス)

君に届け 10 (マーガレットコミックス)

ぶっ通しで読んでしまった…
 
色んな展開があるのですが、基本的に貞子を助けてくれる友達もいるし貞子も頑張るしで、安心して読めます。
薄汚い性格の女に引っ掻き回されるってのはよくある展開ですが、
ちょっとそこからの切り抜け方のスッキリ感、爽やかさみたいなのが他とは違うのかなー。
 
はたから見ればバレバレな貞子と風早くんの気持ちですが、
微妙なすれ違いもあり、外野の余計なお世話もありで、最後の一歩が上手くいきません。
貞子の後押ししてくれたのは、ライバルのくるみちゃんであり、チャラ男の師匠でした。
 
そして・・・ 10巻では素敵な告白シーンのオンパレード。ごちそうさまです。
いやもう、1回でもかなり心にぐっと来るシーンなんだけど、続けざまですよ?
一番ヤバかったのは、「すきなの・・・!」の6連発で魅せる爽子の教室告白シーン。
言いたいことの1/10も伝えられなかったと言っていますが、一番伝えたいことは6回も言ってるじゃないか!立派だよ!!
コマ割りとか、二人の表情とか、心の声と口に出した言葉の繋がりとか、色んな意味で神がかり過ぎ。
もう30回は見て30回全部で泣いたね。
嬉しいよなぁ。だって風早くんは、爽子が絶対に心から思ってることしか言わないって知ってるんだもんね。
 
そんでもって風早くんの、「おなじ でしょ?」ね! これね!!
9巻の、「俺のすきと黒沼のすきは違うんだよ」みたいな台詞との繋がりなんですが、これも鳥肌立ったね!
前振りがなくても、その一言で全てが通じあって、ああようやくここで届いたなんだなぁとしみじみと分かる名シーンです。
 
君に届け」のいいところは、爽子が風早くんを好きになる理由も、風早くんが爽子を好きになる理由もしっかり描かれていて、
それが多分、その二人じゃないと分かり合えない部分なんだろうなっていうことが納得できるってことです。
シチュエーションだけとか謎なハーレム設定だけで恋愛が成り立ってしまうものも多い中で、
二人を心から祝福できてしまうような心理描写をここまで丹念に描ききった作者には脱帽ですね!
 
好きな人と付き合って、キスしたり身体の関係に及んだりするのはもちろん幸せなことなんですが、
こうやってずっと自分の心の中で温め続けた思いを勇気を振り絞って言葉にして、
それを相手から「自分も同じ気持ち」なんて言われたときの幸せを考えると、
憧れちゃうなぁ。青春やり直してえええええ;;
嬉しくて泣いたことなんて、最近あったっけ? ないよね普通。
それって多分、人間が流す涙で最も美しいものだと思う。
 
 
ただ、かなりの人が同じ感想を抱いているようですが、
「やっと届いた・・・」
のシーンで終了でよかったと思いますね。
その後は完全に後日談モードなので、やるにしても10巻に収まる量でやるのが筋なんじゃないかと。
 
まあいいや、とりあえずここでお決まりの一言・・・
爽子は俺の嫁