電撃文庫 鳥籠荘の今日も眠たい住人たち① 壁井ユカコ ★★★★

先日読んだ、クロノxセクスと同じ作者の昔の作品です。
イラストは少女漫画風のふわふわして線の細い感じ。従来のラノベ的萌え絵ではない。
そして文章自体もライトノベルという感じではないです。
だから、結構取っ付きにくい感じではありました。
 
〜あらすじ〜
ホテル・ウィリアムズチャイルドバードには変わり者ばかりが住んでいる。
衛藤キズナは高校中退、身内もいない16歳の女の子。
キズナは引きこもりをやりながら、たまに絵のモデルのバイトをして暮らしておりました…
 
 
そんなアパートに住む変人たちの日常を描いた短編集(大きな流れはあり)です。
なんとなく誤魔化したり、都合よくハッピーエンドになったり、そういうのもありません。
難しい日常や、絶望や、残された寂しさや、そういった派手さのない心情が綴られているだけです。
しかしこれはなんとも、読むのが止まりません。
そして、この世界にどっぷりとはまり込んでしまいます。
これは参った。
余りに彼らが魅力的すぎて、非日常なのに人間的で、キズナがかわいくて、
柏崎星奈のように「本の中に入れたらいいのに・・・」とか呟いてしまいそうでヤバイです。
 
これはまた、電撃文庫の懐の深さを改めて思い知らされました。
これは男性でも楽しめますが、やはり女性読者向けですね。
一昔前に流行った桜井亜美みたいなオシャレ感覚小説とも似ています。