半分の月がのぼる空(7)(8) ★★★

半分の月がのぼる空〈8〉another side of the moon-last quarter (電撃文庫)
本編は6巻で終了。7,8巻は時系列がバラバラな短編集です。
メインは文化祭編ですが、これはなんかよくある感じですねぇ。
作者が思い向くままに自由に筆を走らせたという雰囲気で、ストーリーも文章も気ままな感じです。
 
作中で裕一は「とにかく可愛かったらいい」なんて理想の彼女像について語っていますが、その里香の外見的な美しさを補強するようなエピソードが幾つもあります。
写真部の即売会では何気ない里香の写真が高騰し、演劇部の部長は里香の存在感に打ちのめされ、密かに主役として立たせようと画策する…
里香は自分の外見に恐らく自身を持っていて、また病気もネガティブになるだけでなく、人を利用するための道具として活用してしまうようなしたたかさも持っている。
★3なのはそんな里香の美化が嫌なわけではなくて、逆にその存在感が目立ちすぎるために、他の登場人物メインの話がひどく霞んでしまっているという理由です。