半分の月がのぼる空(1) ★★★★

ライトノベルのおすすめと聞かれれば、
文学少女シリーズ
とある飛空士への追憶
などと並んで必ず名前が出てくるこの作品。
8巻も出ていて、多くの人が絶賛している作品がつまらないわけないだろうとは思いつつも、なかなか手が出ないでいましたが、先日ブックオフに全巻揃っていて、しかも割引セールをしていたのでまとめ買いしてきました。
 
〜あらすじ〜
主人公裕一は肝臓の病気で入院中。乱暴な看護婦さんと共に退屈な生活を送っていたが、あるとき同い年の女の子が入院していることを知り、彼女の話し相手になるという名目でお近づきになるのですが・・・
 
典型的なボーイミーツガールストーリーの中に、死の概念という非常にシリアスな要素がサラっと盛り込まれていて、それが現実感を持ったときの衝撃や苦しみが上手く表現されていたと思います。
ヒロイン里香の性格は賛否あるようですが、まあ普通じゃない?大河に比べたらかわいいもんで…
 
主軸のストーリーに加えて、裕一が思い出す形で父親の話や、親友司の話が出てくるのですが、それを淡々と語るだけでなく、裕一が感じた気持ちなんかも盛り込まれていて良いですね。
本当はこうしたいのに、意地張ったり恥ずかしがったりしてできないこと、ありますよね。
思春期の男は絶対あるんじゃないかなー。それで、なんでも思ったことを口にして、行動力があって、周りの目をあんまり気にしてない奴はほんとにかっこよく見える。
やりたいことを、やりたいようにやれれば、世の中はなんて単純なんだろうと。
 
唐突ですが、私は親子話に弱いです。
子供は普段はそっけないそぶりを見せていても、本当は親のことを大事に思っていて、楽させてやりたい、迷惑かけたくないって思ってるはずなんですよ。
まあみんながそうじゃないだろうけど、私はそう思っていて、
でもそんなことを口には出せないし、実際行動でも正反対のことをしてしまったりしている。
そんな気持ちを小説の主人公なりに代弁してもらうと、少し心が晴れるんですかねぇ。なんか卑怯なことだと思うけど。
 
 
ストーリー主軸はシンプルだけど文章は読みやすいし、サブキャラは個性的でいい味出してると思います。
ヒトカケラを2万倍くらい面白くした感じ?(わかりにくっ!)