神様のメモ帳(5) ★★★★★

神様のメモ帳〈5〉 (電撃文庫)

神様のメモ帳〈5〉 (電撃文庫)

1〜4巻の間に起こった出来事をまとめた短編集です。
その為か、あまり重苦しいものはなく、スッキリサッパリと読める印象となっています。
 
いやあ、相変わらず文章が上手い、読み始めたら止まりませんね。
そしてファンシーな表紙のこの物語のいびつな部分として、色恋沙汰(まああんまりないけど)なんかよりも、
暑苦しく男臭い友情とか、仁義とかそういう話の方が遥かに面白いということがあります。
 
そして、ナルミはいつも自分に自信がなく、うじうじしていることが多いくせに、
最後には何かやってくれるとみんなが期待し、それにしっかり応えてしまうという。
いわばライトノベルのテンプレを極限ハイブリッド化したようなキャラクターなんですが、
逆にそれこそがライトノベルの魅力であり、こうも読者を惹き付けてしまうのかと思いますね。
 
一言で言えば「憧れ」
 
ナルミの情けない部分に共感を覚え、最後にやり遂げてしまう強さに希望を見出すのではないでしょうか。
 
単に優しいだけとか、強いだけとか、臭い台詞吐くだけの主人公ならこんなに胸が躍るはずがありません。
 
野球編でアリスがした作戦も驚きでしたが、やはり神様のメモ帳の柱はナルミなんだなと思いました。
もちろんアリス萌えも健在だよ?(この書き方は若干イラっとくるけどw)