アリソン(1) ★★★★

アリソン (電撃文庫)

アリソン (電撃文庫)

キノの旅で知られる著者による、ファンタジー冒険モノです。
イラストも同じく黒星氏によるものなのですが、この素朴な感じがなんとも文章とマッチしていますね。
 
黒髪の記憶力抜群で銃の腕がよいヴィル(男)と、金髪おてんば空軍パイロットのアリソン(女)という幼馴染の二人が、ちょっとした冒険をするお話です。
   
まあストーリーはともかくとして、表現が読みやすく、会話のテンポがよく、段落のリズムがよい、非常にこなれた、すっと馴染んでくる文章です。
あまり期待していなかったキャラ描写ですが、とにかくアリソンがかわいいです。
萌えキャラと言ってしまってもいいでしょう。ええ、私は萌えました。
 
途中で貴族のフリをするシーンがあるのですが、いちいち情景が目に浮かび、含み笑いをしてしまいました。
まあなんというか、言葉は古いですが、「おてんば」なのです。
理不尽だったり異常な性癖持ちだったり、異世界人だったり病気だったり、とにかくヒロインの設定というのは現実にはありえないようなタイプが多いですが、
アリソンはその言葉使いや行動だけで十分に魅力的なキャラクターでした。
  
クライマックスものんびりと話は進みます。
「宝」についても、そこまで驚くってことはありません。
ああ、なるほど、と。そんなもんです。
 
でも、心が和んで、非常に良かったです。
この清涼感はなんだろうなー。