嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん(1) ★★★

戯言シリーズとの類似点?
よく引き合いに出されているけど、本家は読んだことがないので、この本単体の感想です。

とにかく悪文である
人間を捨て、心を閉ざし、嘘の中に生きる、半ば狂った人間の独白として読めば、
支離滅裂かつ無駄が氾濫し、美しさの欠片もない文章も、こういう世界観なのか、と多少納得はできます。
まあ納得したところで、読みにくいことには変わりないし、あらゆる文章に意味を見出すことが難しいのですが。
 
無駄な文章でも内容が面白ければそれだけで物語になるし、
逆に無駄なようで要点が潜ませてあったりすればまた面白いのだけれど、
残念ながら読み終わった段階でどちらも感じ取ることはできませんでした。
唯一、刑事さんとの会話のシーンでは、軽薄なやり取りの中に胸の探りあいが見て取れ、少しだけ緊張感があったかな。
クライマックスの「反転」シーンは読めますね、展開が。
 
星3つにした理由は、ここまでヘヴィなバックグラウンドを物語に埋め込んだ電撃の懐の深さに対してです。
確かにここまで病的なライトノベルなんて読んだことが無い。新鮮ではありました。
しかしミミズクといい、変り種はどうも完成度に欠けますね。
風変わり、ライトノベルっぽくない、そういう単なる異端児として売り出すだけでは、レベルの低さが浮き彫りになるだけです。